大家でも入居者が日々どのように暮らしているかまでは把握できないため、気が付かないうちにゴミ屋敷の状態にされてしまう危険性があります。
ゴミ屋敷問題を早急に解決するためにも、どのような行動を起こせばよいのかを事前に想定しておくことが大切です。
そこで今回は、賃貸経営をしている物件でゴミ屋敷が発生した場合のリスク、対応方法、清掃費用などについて解説します。
ゴミ屋敷が発生すると大家としてどのようなリスクを負うのか?
賃貸物件の一部でゴミ屋敷が発生した場合、さまざまなリスクに発展する可能性があります。
害虫
ゴミ屋敷は本来捨てるべきゴミがたまったり、掃除が行き届かなかったりすることが原因で害虫の温床になりやすい環境です。
特に気温や湿度が高い季節は害虫が発生しやすく、ほかの入居者にまで被害が及ぶ可能性があります。
悪臭
ゴミ屋敷では放置されたゴミが腐敗しやすく、部屋の壁や床に悪臭が染み付きやすい環境です。
悪臭は周辺住民とのトラブルにもつながる可能性があります。
火事
物があふれたゴミ屋敷は、ヒーターやタバコの火が燃え移りやすい環境です。
火事が起きると建物全体に被害が及ぶ危険性もあるため、特に寒い時期や乾燥する時期は注意が必要です。
大家をしている物件でゴミ屋敷が発生した場合の対応方法とは?
まず、ゴミ屋敷を発生させた入居者に対して「きれいな状態に戻さないと賃貸契約を解除する」ことを伝えましょう。
このときドアに張り紙をしたり手紙をポストに投函したりするのではなく、内容証明郵便で正式に要求することが重要です。
それでも改善されない場合、退去勧告を検討しましょう。
ゴミ屋敷の入居者が要求に応じず現状がなかなか改善されない場合、賃貸契約の連帯保証人に連絡をして対応を要求する方法もあります。
このとき、要求に応じないからといって勝手に部屋へ入って清掃したり、カギを変えて入室できない状態にしたりするなどの強引な対応はしないように注意が必要です。
ゴミ屋敷の清掃費用は大家と入居者どちらが負担するのか?
ゴミ屋敷問題を早急に解消するためにも、清掃にいくらくらいの費用がかかるのか、誰が負担するのかを事前に想定しておきましょう。
まず、ゴミをためたことによって発生した汚れや設備の故障を修繕する際の費用は、ゴミ屋敷を発生させた入居者に負担を要求するのが通常です。
ただし清掃に高額な費用がかかる場合、入居者の経済状況によっては元の状態に戻すまでに時間がかかってしまいます。
そのため、早急な改善を求める場合は大家側でも一部を負担しなければならない可能性があるでしょう。
ゴミ屋敷を清掃するには、一人暮らし向けの狭い部屋であっても3万円~10万円、状態がひどい場合は数十万円かかる可能性もあります。